大学に入り、下宿生活になった香澄は、コインランドリーのお世話になることが多くなった。
下宿先の近くにあるコインランドリーは、わりと利用客が多い。男性も、女性も、年齢層も幅広い感じだった。
そんな中で、香澄がよく見かけるのは、40代前半くらいと見えるサラリーマン風の男性だ。既婚者のような雰囲気で、コインランドリーによく来ているあたりを思うと、単身赴任というところだろうと香澄は踏んでいた。
その男性とは、よくコインランドリーで出くわすので、自然と挨拶くらいはするようになった。しかし、男性の名前も知らない。男性の方だって、香澄の名前も知らないだろう。
しかし、やがて香澄は、色恋沙汰とは遠く離れた意味で、この男性のことが気に掛かるようになる。それは、次のような出来事があったからだった。
ある日、香澄がコインランドリーに行くと、すべての洗濯機が使用中になっていて使えない状態だった。香澄はしかたなく、どこかの機械が空くのを待った。
すると、しばらくして例のサラリーマン風の男性が入ってきた。香澄は、いつものように今晩はと声をかけ、男性も挨拶を返した。
男性は、わたしの分はもうすぐ終わります、と言ったので、香澄もそれまで待つことにした。
とはいえ、その場にいるのは男性と香澄の二人きり。そこのコインランドリーは洗濯物を出し入れするとき以外、待っている客が少なかったので、無理もないことだ。だが、香澄はまだ誰とも付き合ったことがない。そんな香澄に、男性と二人きりでいるというのは、息が詰まるような思いがすることだった。
その空気に我慢できず、香澄は、何か飲み物でも買ってくると言い訳して、洗濯物を置いたまま外の空気を吸いに出た。
そういった手前、何も買わずに戻るのは気が引けた。香澄は、コインランドリーから2分のところにあるコンビニで缶コーヒーを買って、再びコインランドリーに戻ってきた。
コインランドリーに戻ってみると、すでに男性はいなくなっており、洗濯機も一機空きができていた。どうやら、男性が言った「もうすぐ終わる」は本当らしかった。
香澄は空いた洗濯機に自分の洗濯物を入れていった。
しかし、そこで違和感を感じた。
下着が足りない気がするのだ。パステルグリーンのショーツだが、昨日履いたものだからさすがに記憶に新しい。それが無くなっているのは間違いなかった。
なぜないのだろう、と考えた。部屋に忘れてきたのだろうか、と思った。
しかしその後、部屋に戻っても下着が見つからなかった。そのときになってはじめて、香澄はあの男性が下着を持っていったのではないのか、という疑いを覚えた。
次の日も、香澄はなくなった下着を部屋で探してみたが、やはり下着は見つからなかった。いよいよ、あの男性が下着を盗んだ疑いは濃くなった。
さすがに香澄はあの男性に腹が立ち、もう二度とあのコインランドリーに行かないことにしようとも考えた。
しかし、あるいは間違いということもある。そうだとすれば、自分勝手な思い込みで男性に無実の疑いをかけたままということになる。
香澄は純粋で目立たない、優等生的な人間だった。まず、コンタクトではなく黒縁の眼鏡を愛用していた。授業においても全ての授業で丁寧にノートを取り、私語をする生徒を注意していた。普段の服装にしても、下着は比較的地味な下着のみを愛用し、服装も肌を露出したりはしないものを愛用していた。
たとえていうなら、何も知らない初心な女子中学生が、そのまま大学に進学している。そのような雰囲気を香澄は漂わせていた。
そうした香澄にしてみれば、人をむやみに疑うことさえ、非常な罪悪感を伴うものだったのだ。
とにかく、香澄はあの男性の正体が下着泥棒であると分かるまでは、コインランドリーに通うのを止めないことにしたのである。
香澄が男性に疑いを持ってから3日後、再び男性と香澄はコインランドリーで出会った。
その日深夜までレポートを書いていた香澄は、夜中になってようやくコインランドリーに行った。まさかこの日に男性に出会うことになるとは、思ってもみなかった。
その日は男性だけがコインランドリーにいるところを、香澄が洗濯物を持って現れるという構図になった。
思わずハッとした香澄だったが、まだ下着泥棒だと断定もできない相手に疑いの眼を向け続けている自分を恥じて、挨拶をした。男性も朗らかに挨拶を返した。
男性はいたって自然体だった。そんな様子を見ていると、とても彼が下着を盗んだとは思えない。やはり、自分が知らない間になくしているだけなのかもしれない、と香澄は考えていた。
男性をじろじろ見ながらそんなことを考えているうち、男性は香澄の方を向いてニコリと微笑んだ。香澄はどぎまぎしながら、ぎこちなく笑った。
「どうか、されましたか」
「え・・・いえ、あの・・・」
「わたしの顔に、なにかついていますか」
「そ、そういうのじゃないんです・・・」
男性を疑っているという負い目があるため、香澄は普通に喋ることができない。ただでさえ、見知らぬ男性と話すのは香澄にとって苦手なことなのだ。
「可愛らしいお嬢さんだ。・・・ここに入ってから、キョロキョロしていますね。何か、お探し物ですか」
「あ、いえ・・・その・・・じつは、まあ」
ショーツを探していることは事実だったので、香澄は何となくそう答えてしまった。
男性は、笑みを絶やさない。
「その探し物というのは、これでしょう」
男性は無造作にスーツのポケットから緑色の布を取り出した。
それは、香澄のショーツだった。
「・・・あ、あたしの・・・」
香澄は口をぱくぱくさせて、男性の手にあるショーツを凝視した。
「そうです。あなたが、飲み物を買いに行ってる間に失敬しておきました。何度か使わせてもらってますよ」
「つ、つかわせて・・・?」
「こんな風にね」
男性はおもむろに立ち上がり、ズボンから陰茎を取り出して、緑のショーツを巻きつけた。そして、そのまま手を上下に擦り、オナニーをはじめた。
「なかなか、いいものですよ・・・おや、初めてご覧になる?」
香澄はそのときに、大声で叫ぶべきだったのだ。
しかし、男性があまりにも大っぴらにオナニーをしているので、声も出せない。まして、香澄はペニスを見るのも、男性のこうした生々しい生理をみるのもはじめてなのだ。
「ふふ・・・なかなか、ショーツを履いた本人に見つめられてするというのも一興ですな。素晴らしい感触です」
自分のショーツが、血管の浮いた男性器を包み、快感を与えている。
激しい嫌悪感をもたらす光景だ。しかし同時に、自分の触れる下着に男性器が触れているところを目撃することで、いやがおうにも自分がセックスしているイメージを想起させる。
処女の香澄には、圧倒的な光景だった。
「おお・・・そろそろ、出ますよ。もっと近くで見てはいかがですか」
そこで正気に戻っていれば、まだよかったのかもしれない。
しかし香澄は、のろのろと男性の言葉に従った。雰囲気の中に酔ってしまっていたのだ。
「おお、出る、出る・・・ウッ!!」
男性は陰茎の先に香澄の下着をあてがった。香澄は、自分の下着が黒く変色していくのを目撃した。
まるで、自分に注がれているような感覚。香澄の女性器は、そのとき、熱くぬめった。
男性の股間は、一度出したはずだったが衰える気配を見せない。
「ふう、若い女性に見られていると、元気になるものです。・・・男のものを、初めてご覧になったのでしょう? どうぞご自由に」
そういって男性は香澄の正面に立ち、腰に手を当て、仁王立ちになった。男性のシンボルは雄々しくそびえ、香澄の前に大きな姿を見せている。
香澄は初めて見る男性自身に魅了され、その前にひざまずくようにして近寄った。
そしてそのまま、それを手に取ろうとする。男性は香澄の手を取り、しっかりと男性器を握らせた。熱く硬い感触が、さらに香澄の女性を潤ませる。
「そのまま、上下させてください。さきほど、みたように」
男性に請われるまま、香澄は手を動かしてしまう。初めて見る男性器に、知らず知らずのうちに奉仕してしまっている、処女の大学生・・・。
その光景は、灯りのついた深夜のコインランドリーの中に、はっきりと映し出されていた。
香澄が手で男性器を擦ると、ますますそれは大きく膨らみ、血管を浮き立たせた。
男性のシンボルに魅了された香澄は、もはや恐怖感も嫌悪感も麻痺している。この先に待つ射精を予感して、男性器に奉仕するだけだ。
「ふふ・・・うまいですな。こんなにうまいと、すぐに出てしまいそうですな」
そういいつつも、男性はびくともしない。香澄の手は、機械のように上下動を繰り返しており、テクニックもなにもないのだ。
男性はじれったさを感じたのか、香澄の手に上から自分の手をかぶせ、動かした。
「このように、動かすのですよ」
自分の好みの速度で、自分の好みの部位を刺激するように男性は香澄の手を動かした。香澄は、このようなことでも優秀な生徒だった。男性は手を離すが、香澄の手はその動きを繰り返す。
「さあ、また出ますよ」
香澄は男性の方を見た。視線が絡み合う。女性器の奥まで射抜かれるような視線を受けて、香澄は陶然とした。
その瞬間に、男性器が爆ぜ、香澄の顔に精液が降り注いだ。
「あなたは素晴らしいですよ。本当に、心地よかった」
そういって、男性は香澄の額にキスを落とした。顔面に精液の噴射を受けた香澄は、青臭い精液の匂いの中でキスを受けていた。
男性はそのまま、香澄を抱きすくめる。力強い男性の筋肉、そして体臭。そうしたものを感じる。さらに、先ほどの顔面に向けての遠慮のない射精。
この男性は、今、自分を支配しているのだ。そう香澄は感じた。
香澄の中の一部が漠然と危険信号を打ち鳴らしていたが、それさえも心地よい。この男性に、全て任せるべきである。香澄の雌の本能はそう告げていた。
「こうなると、ぜひ・・・あなたの下着の中を味わいたくなりますな。よろしいですかな?」
非常識な男性の発言にも、香澄は逆らえない。童女のような素直さで、首肯した。
「・・・どうぞ」
男性はあくまで紳士的に振る舞い、コートを脱いで長椅子に敷いてから、香澄を椅子に横たわらせた。
白いスカートに包まれたその脚から、オレンジ色のショーツを抜き取り、硬い陰毛が盛んに生い茂る女性器をあらわにした。
「どうやら、あなたもわたしをお望みのようだ」
その女性器は見た目に濡れている。男性器を目撃し、射精を見せ付けられ、顔面に精液を受けさせられて、潤みきっているのだ。
「これならば、余計な前戯は不要ですな」
男性は人差し指を香澄に差し込んだ。白濁した愛液が一筋、コインランドリーの長椅子に垂れた。
そして男性は香澄にのしかかる。香澄は女の本能で、自分の膝の裏を抱え、脚をM字に開く。
「では、あなたを味わうとしましょう」
男性は、自身を香澄に何度か擦り付けた後、遠慮なく香澄に侵入した。
「ひぎいいいいいぃぃ!」
香澄は処女を失った。処女膜が破れ、出血する。同時に、激痛が香澄を襲った。
しかし男性はそれを気にしているのかいないのか、そのまま腰を使う。
「がっ・・・うぎ・・・ううう・・・」
香澄が痛さで呻き声を挙げる。男性は、それでもなお腰を送り続けた。
「素晴らしいですな。あなたは処女だったはずだが、もう男性を喜ばせる術を身につけているようだ。わたしを締め付け、蠢き、喜ばせていますよ」
朗々と響く男性の声は、痛みに苦しむ香澄にも届く。同時に、男性の荒い息が、香澄の耳に届いた。
男性の荒い息に意識を集中すると、香澄の女の中が愛液を噴出す。そしてそれが、男性へのさらなる奉仕となって、男性を喜ばせ、息を荒くさせるのだ・・・。
「おお・・・あなたが潤んできましたよ。もっと感じなさい。手伝ってあげましょう」
男性は香澄の耳をとらえて息を吹き込み、胸の先をかすかにこすった。クリトリスに触れ、アナルに触れる。
訳が分からないまま、香澄は自分も息を荒げていく。
その音色は、男性をも楽しませ、狂わせる。
「そろそろ・・・終わりますよ・・・」
男性は腰を振るい、強烈に香澄の中を突いた。徐々に降りてきた子宮に刺激が伝わり、香澄は声にならない声を挙げる。
「うおおおおおおお!」
男性が叫び声を上げ、香澄のもっとも奥の場所で射精した。
香澄は、なにか熱いものが自身に注がれたことを感じた。注がれたものが、あの男の象徴たる白濁なのだと思い至ったとき、香澄の中に密かな満足が生まれた・・・。それは、これまでの人生にない種類の満足だった。
全てが終わった後も、男性はあくまで紳士的だった。ポケットからハンカチを取り出し、香澄の顔と女性器を拭った。
「あなたが望むなら」
と、男性は言った。
「今後も、わたしに触れてほしいものです。あなたは女性として最高のものを秘めておられる。できるなら、わたしにそれを味わい続けさせてほしいものですよ」
香澄は横たわったまま、その言葉を聞いていた。自分を支配していた男性が、自分を最高だと評価している。香澄はオンナとしての喜びを感じるのだった。
そしてその日から、香澄の生活は一変した。眼鏡をコンタクトに変え、淫らな下着をつけ、服装は肌を露出したものになり、性的な魅力を漂わせるようになったのだ。
香澄は男性の言葉にしたがい、その翌日に事後ピルを飲んだ。その後は、膣内で精液を受けてもよいように、ピルを飲むようになった。男性との関係は、男性の単身赴任先の部屋で行われるようになり、毎夜、男性の部屋からは香澄の喘ぐ声が聞こえるようになった。
また、香澄は大学で気に入った男と一夜を共にするようにもなった。男性の体つき、ペニスの形、腰の振り方、そして急所。人それぞれ、さまざまであることを香澄は身を持って知った。しかし、熟達した男性から性の全てを学んだ香澄の眼鏡にかなう者は少なかった。もっとも、中には童貞の者もいて、香澄は自ら男性を手ほどきする快感も知った。
とにかく、熱病のようなコインランドリーでの交わりが、香澄の人生を大きく変えてしまったのである。
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