由加里はサークルの先輩とともに初めてのラブホテルにきていた。
多少のアルコールは入っているが、思考はしっかりしている。
恥ずかしさがあった。
初めて身体を許す相手が、たいして恋愛感情を持っている人でないことについての後ろめたさもあった。
しかし、今はこの強引な先輩に身を任せたい。
そのために、身体を奪われてもいい。
それが、由加里の本心だった。
話は由加里の大学入学まで遡る。
苦しい受験勉強の成果が実を結び、ようやくやってきた第一志望。
そこで、たまたま出席番号が隣だったのが弘だった。
清潔感溢れるその横顔は、たちまち由加里を虜にした。
活動的な由加里は弘に猛アタックをかけた。
しかしつい3日前、弘は素敵な彼女と一緒に街を歩いていて、キスを交わしていた。長い付き合いと、愛情がうかがえるキスだった。
由加里はその場から逃げ出した。
そのうえ、逃げ出すところを弘にみつかり、その後キッパリと付き合えない旨告げられてしまった。
女にとって、これほど手厳しい振られ方もないだろう。好きな男が他の女とキスしている現場を目撃した上に、男自身から重ねて引導を渡されてしまうのだから。
以来、由加里はしょぼくれている。
今日行われたバスケサークルの飲み会で荒れるのも、無理からぬことではあった。
そんな中で、由加里を『お持ち帰り』したのはサークルの先輩だった。
由加里は可愛い部類だったので、サークル内では牽制が続いていたのだが、片思いの彼氏一筋だったので誰も本気でアタックはしなかった。だが今回、酒の席でうまく由加里の悩みを聞き、心の襞をわずかでも解きほぐしたのはこの男だった。
その心、半分は本気、半分は欲情というところか。
木石にあらざる男子大学生としては、健全なところである。もっとも、それが失恋した女性に対する態度として世間的に正しいかどうかは別問題であるかもしれないが。
一方の由加里は、もう誰に抱かれようとどうにでもして欲しい、そういう心境だっただろう。
失恋とは大抵そういうものだからである。
とにかく、ふたつの影はそのままラブホへと消えていった。
部屋に入ると、先輩は慣れた様子で由加里にキスをした。
由加里は、キスの経験ならあった。されるがままに、キスを受けた。
口唇と口唇が離れたとき、由加里は先輩の顔をみた。怒っているような、我慢しているような、そんな顔だった。
「オレ、由加里ちゃんのこと好きだから・・・」
そう言いながら、先輩は由加里をゆっくりと押し倒す。
由加里は、逆らわない。
そのまま、ブラウスを脱がされ、ブラジャーを見られた。
由加里は眼を閉じて、自分が何をされているのか見ないようにした。
先輩は、手荒くゆかりの乳房を揉んだ。自分で触れるような気持ちよさはない。ただ、男におっぱいを揉まれているという状態に、由加里の精神は高揚していた。
そして、由加里のブラジャーは外される。
後ろについたホックを外すとき、由加里はかすかに上体を持ち上げて協力した。しかし、眼は閉じていた。
そのまま、赤ん坊のように先輩はおっぱいを吸う。
オトコは赤ん坊みたいにおっぱいに興味を持つというのは、本当だったんだ。
そんなことを考えていた。
愛する男でなくても、ただ、セックスをしているというだけで身体も心も興奮する。
そして、それは心の痛手や悩みを消し去ってくれる。
由加里は知らず知らずのうちに、そんなことを学び始めていた。
先輩はひとしきり由加里の乳房を楽しんだ後、スカートとショーツを下ろそうとした。
由加里の本能が、わずかに抵抗を見せる。ブラジャーのときほど、由加里は素直に従おうとしなかった。
しかし、強いて先輩がショーツを引き抜こうとすると、由加里も最後にはそれに従った。
手入れをしていない、剛毛の生えた処女の秘所がオトコの前に露わになった。
先輩はそれをみて、毛深い、と思ったが、口に出すような愚はおかさなかった。もっとも、そのチーズ臭のする秘所を口づけようとは思わなかったようで、先輩は代わりに指を由加里のスリットに走らせた。
由加里もそれを感じた。
オトコに、自分の大事な部分を進んで触らせている。淫ら、という言葉が由加里の脳裡をよぎったが、かえってそれは興奮の材料になり、由加里はそれに酔った。
ただ、先輩の愛撫はやはり自分の指には及ばない。下手な耳掻きのような物足りない愛撫が続いた後、愛撫の手は止まった。
続いて聴こえてきたのは、ガチャガチャというベルトの音だった。
そして、ズボンが落ちる音、パンツを脱いでいるらしい音が続き、しばらくすると眼を閉じている由加里の鼻に、自分のものとは違う生々しい匂いがした。
屹立した男性器から発せられる匂いだった。
由加里は好奇心から、ほんの少し眼を開く。
そして、驚いた。指よりも太くて長いあんな物が、自分の小さな場所に納まるのか?
しかしその頃には、コンドームを装着し終えた先輩は由加里に圧し掛かり、フンフンと鼻息を荒くしていた。
「入るよ・・・」
先輩は小声でそう由加里に告げた。
由加里は今更ながら、恐怖で声も上げられなかった。
そして、ガチガチに緊張した空気の中、挿入が行われる。
先輩は、可憐な後輩を今から食べることができる興奮から来る緊張で。
由加里は、好きでもないオトコで処女を捨てること、そのことからくる妖しいスリルと、これから訪れるであろう激痛を思う緊張で。
互いに、激しい緊張と興奮を抱えていた。
しかし、やがてオトコの肉棒は、由加里のたった一つの処女地に踏み込んでいく。
「ヒッッ!!」
瞬間的に、由加里は悲鳴を上げる。
まだ、亀頭が埋まっただけだ。
眉をひそめ、顔で痛みを訴える由加里。
「由加里ちゃん、まさか、・・・はじめて?」
コクコク、と由加里は頷いた。
「なんで・・・」
先輩にしても、由加里が今日ラブホにきたのが行きずりだということくらいわかっていた。処女は、行きずりで捨てるようなものではないことも。
「いいんです・・最後までして」
由加里はそれだけ言った。
先輩も、事情は気になったようだが、処女を犯す肉欲に耐え切れず、さらに肉棒を進めた。
「ウッ、ウゥゥ、ウッ」
徐々に進む男のものに、由加里の膣は抵抗した。そして、由加里に痛みを伝えてくる。
いっぽう、先輩はそんな由加里を思いやる気持ちと、肉棒から溢れる肉欲とで板ばさみになっていた。しかし、先輩の股間だけは、硬く硬く屹立したままだった。
そして、ようやく肉棒を根元まで埋めたとき、由加里は顔を横に向けて痛みに耐えていた。
とても、快感を覚えているようには見えない。
しかし、先輩はそこから小幅に動き、自分の快感を得なければ終われない。
「ウッ、ウッ、ウッ、ウッ、ウッ、」
結果的に、由加里は膣奥深くで小幅に動くペニスに痛みを覚え続けることになった。
先輩の目に映る由加里は、ガチガチに身体を固くしている。痛みに耐えるために、全身の筋肉が強張っているのだ。
そんな様子を見て、先輩は初めから彼女を感じさせることを放棄した。
ただ、早く終わることだけを考え、腰を揺する。
自分は今、処女を犯しているんだ。
誰もこの膣を味わったことがないんだ。
そしてコンドーム越しとはいえ、初めて彼女の膣の中でペニスを痙攣させられるんだ。
しかもそれは、ずっと狙っていたあの可愛い、サークルで一番の由加里ちゃんだ・・・。
そんなことを思って腰を揺する。
一方の由加里は、これがオトコなんだ、というリアリティを感じて、ただオトコに胎内を預けているだけだった。
由加里にとって、それは突然だった。
自分の股間にペニスを差し入れていたオトコが突然苦しみだしたかと思うと、
「ハ・・ウウッ」
と声をあげ、眼を閉じて口を開いたのだ。
だらしなく弛緩した顔は、オトコのエクスタシーの顔だった。
その声と顔に、奇妙な色気を感じてゾクゾクした由加里だった。
その後、強引にペニスを抜かれてまた痛みを感じた由加里だったが、そのあと先輩がコンドームを抜き取るのを見て、ようやく初体験が終わったのだとわかった。
股間に手を伸ばす。指を顔に近づけると、少しの愛液と、血のにおいがした。処女膜か膣壁が破れ、出血したのだろう。
オンナになったなんて、実感がない。明日誰かがわたしを見ても、誰も昨日わたしがオンナになったなんて、わからないんじゃない? ・・・オンナになるなんて、そんなに特別なことじゃないのね。
覚めた頭で、由加里は考えていた。
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