真(まこと)と実(みのる)は、男と女の双子である。
二人は双子ということもあって、非常に仲がよかった。
二人の顔立ちはほとんどソックリだ。
おまけにみのるは髪が短く、ボーイッシュな雰囲気を漂わせている。
まことはまことで、背が低くて細い体つきをしている。
二人の雰囲気は今でも結構似ていた。
もちろん、まことは男で、みのるは女だから、どうしても違う部分はあったが。
二人は双子ということもあって、そういう違う部分は別にしても、かなり仲がよかった。
が、最近、まことに初めて彼女ができたことで、ビミョーな問題が起こったのであった。
問題は、とある平日の午後に起こった。
みのるが家に帰ると、まことがもう既に家に帰ってきていた。
玄関にはまことの靴と、もうひとつ、小さめの運動靴があった。
(まことの彼女だわ・・・えっと、今の時間だと、二人きりなのかしらね)
そう思ったみのるは、二人を邪魔するのも悪いかと思い、とっさに回れ右をして家から出て行こうとした。
が、そう思ったとき、上からドタドタと音がした。
(まことが降りてきたのかしら)
そう思ったが、どうも足音が違う気がする。
そんなことを思っている間に、裸の少女がみのるの前に現われた。バスタオルを羽織っているとはいえ、ほとんど全裸である。
(うわっちゃー・・・)
みのると裸の少女は、お互い見つめあってビックリしていた。
みのるは少女を知っていた。
まことが最近付き合いはじめた、同級生の彼女だ。
同級生とはいうものの、ずいぶんと幼い印象を受ける彼女。ろり〜な雰囲気で、ボーイッシュなみのるとは正反対に位置する感じだ。
ろり〜だということで、彼女の胸はかなり小さい。実はみのるの胸も小さいのだが、それ以上だった。
裸の少女の嘘偽りない小さな胸を見て非常事態にもかかわらず、みのるは、勝ったわ、と内心ガッツポーズをしたのであった。
ちなみに、みのるの胸は高校のクラスの中でもかなり小さい方に入る。少々引け目を感じていたりする。
みのるがそんなことを考えながら、裸の少女をまじまじと見ていると、少女の方はおずおずと質問してきた。
「す、すみません・・・え、えっと、みのるさん、ですよね」
「ん、あ、えっと、そうだけど」
みのるは一応頷いた。
「あー・・・家に来るなんて、珍しいね」
「は、初めてです・・・」
「と、とりあえず、シャワーを使ってきたら?」
「そ、そうします、すみません・・・」
謝る彼女をよそに(わたしに謝られてもな、というのがみのるの実感だった)、みのるは自分の部屋へ戻るために階段へと向かう。
まことと、まことの彼女が何をしていたのかは明白だ。
どんなに華奢で細くても、まことも男だったということか。・・・つい最近まで、ぴーぴー泣くようなガキだったのに。
みのるは首を振って階段を登っていった。
二階に上がったみのるは、とりあえず自分の部屋にこもって出ないことにした。
隣のまことの部屋では、おそらく裸のまことがHの後始末をやっているに違いない。そんなのと顔を合わしたら、大変なことになりそうだからだ。
第一、バトントワリングの練習が大変だったので、みのるも疲れているのだ。
セーラー服のままばったりと大の字に横たわると、そのままみのるは眠ってしまった。
疲れていたみのるが眠ってから、1時間後。
みのるは何となく騒がしいような感じがして目を覚ました。
いや、騒がしいというより・・・。
(ああーん、あん、あん、あん)
となりの部屋から、ハッキリと女性の喘ぎ声が聞こえた。
(またヤッてるのお・・・凄い声ねえ)
頬を赤らめながら、しかし、二人を邪魔するのも悪いかと思い、そのまま寝ようとするみのる(みのるはまだ、誰とも付き合ったことはなかった。当然、未経験だ)。
(いや、だめえ・・ああ、あ、まこと、クンッ!)
感極まったように喘ぐ、まことの彼女。
かなり大きな声をあげている。
そうなってくるとみのるも好奇心には勝てず、壁に耳を押し付けてさらに物音を聞こうとした。
(ああ、ああん、ダメ、ダメぇ、みのるさん、みのるさん起きちゃうよ)
(大丈夫だって、疲れてるから簡単に起きてこないよ。それに、君だってこういうスリルがあるやつの方が気持ちいいんでしょ)
(いやん、エッチィ!)
どっちもバカのバカップルね、とみのるは思った。
自分をダシにして気持ちよくなっているのは、いささか不愉快だった。
とくにまことなんかは、みのるがバージンなのをいいことにちょっと得意になっているに決まっている。
そう思うと、ちょっと腹を立ってきた。
ここはひとつ、文句のひとつも言ってやるか。
みのるはコッソリと部屋を出て、まことの部屋の前に立った。
そして、コッソリと部屋のドアを開ける。
部屋の中は、およそ想像どおりの世界だった。
しかし、細い細いと思っていたまことの身体は、背中から見ると少し筋肉がついている。
さっきは幼い感じだった彼女も、細い足をまことの腰に絡ませて喘いでいる顔をみると、もう「女」にしか見えない。
「いやあ、だめえ、あん、あん、ああん、ああん」
彼女はもう、隣にみのるがいるということを忘れてしまっているようにみえる。
まことはまことで、自分が彼女をそこまで追い込んだことにある種の満足感を感じているらしかった。
彼女がダメ、とか、イヤア、とか叫ぶたびに、まことの腰が速くなっていくのだ。
まことが一人のオンナをめちゃめちゃにしてる、思い通りにしちゃってる・・・。。
みのるには、まことが汗を浮かべて彼女を責めている姿がそう映った。
やがて、まことに組み敷かれている少女が、まことに訴える。
「おねがい・・・中に、中に出して。大丈夫だから・・・いっぱい出して」
(ちょ、ちょっと中出しって!)
みのるは思わず口に手を当てるが、もちろん中の二人はみのるの驚きなどお構いなしだ。
まことは激しく腰を振ると、たたきつけるようにして少女の中に精液を出してしまう。
「ダメッ! あああーん!!」
「ああっ、あ・・・・あ・・・・・あ・・・」
射精と同時に漏れる、男の喘ぎ声。
まことは何度かガク、ガク、と腰を突き上げると、やがてガクリと彼女の上に力尽きた。
まことの彼女は、ゆっくりとその背中に手を回し、疲れをいたわっている。
それを見届けて、みのるは静かにドアを閉めた。
かなり興奮したみのるだったが、それよりも強いショックを受けたような感じだった。
そういえば、まことたちに一言文句を言ってやろうと思って部屋に行ったはずなのに、みのるの方が出歯亀をしてきただけになってしまっている。
ふらふらと部屋に戻って、ベッドに横になっていると、また睡魔が襲ってきた。
・・・部活の練習の疲れが溜まっているのかな。
みのるはボンヤリとそう思った。
そうしているうち、みのるは再び眠りについた。
みのるがもう一度起きたときは、もう7時30分を回っていた。
もちろん、まことの彼女はとっくに帰っている。
目を覚ましてすぐに、みのるは夕飯の時間だというしらせを受けて、1階に降りていった。
すでに母親もまことも席についていた。
そこにみのるが揃い、遅い夕食が始まった。
とはいえ、夕飯の席でもみのるはまことと目が合わせられない。
まことが経験済みなのは知っていたが、現場に出くわしたのは初めてなのだ。
まことの方はまことの方で、そわそわとしている。その落ち着きのなさは、みのる以上だ。こういうのは男の方が気にするものらしい。
もっとも、みのるはもう一杯一杯で、まことに余裕がないことを見抜くこともできずにいたが・・・。
まことがさっさと二階に上がった後、みのるは追いかけるようにして二階にあがった。
そして、少々迷ったが、まことの部屋のドアをノックする。
「まこと、入るわよ」
「・・・なんでだよ」
なんでだよって、何よ。
みのるはそう思ったが、さらに強くノックした。
「心当たりがないとは言わせないわよ」
「・・・じゃあ、入れよ」
ムカ。
蹴破るようにドアを開ける。
まことの部屋の中は、やはりというか、ムッとするようなエッチの後の雰囲気が残っていた。
それを鼻先に感じて、みのるは顔をしかめる。
「・・・まったくもう、アンタも随分大胆になったもんね」
「なんだよそれ」
「なんでわたしがいるのに隣でエッチするわけ?」
「あちゃ・・・やっぱり起きてたの?」
「何があちゃ、よ! このエッチ! ヘンタイ!」
「何だよ、こっちは彼女がいるんだから、ヤるくらい当たり前だろ!」
「信じられない! サイッテー」
「ふん、彼氏いないからって当たんなよな」
「わたしが言いたいのはね、ヤるなってことじゃないのよ、わたしのいないところでやってほしいってことよ!」
「しょーがねえだろ・・・他にどこでやれってんだよ、金もねえのに」
「・・・知らないわよ、そんなこと」
けんかをしているようだが、まこととみのるの普段のコミュニケーションはこんな感じだった。
毎日こうやって話をしているのだから、仲は決して悪くないのだ。
さんざんまことに文句を言ったみのるは、風呂の中でぶーたれていた。
(そりゃあ、わたしには彼氏いないけどさ・・・わざわざ言わなくてもいいじゃない)
みのるの最近の悩みは、それである。
まことに彼女ができたというのに、みのるにはできる気配もない。
まあ、実をいうと結構みのるも男子の間では注目されているのだが、みのるの雰囲気がカラッとしているせいか、告白するまでには至っていないだけなのだが。
それはそうとしても、みのるはまことに先を越されたことが少し悔しかった。
(おまけに・・・エッチとかまで、先に経験しちゃってさ)
この女の方が進んでいるという時代に、わたしの方が遅れるなんてさ。
ちょっと、みのるの予定にはなかった出来事だ。
(それにしても・・・あのエッチ、凄かったな)
みのるは、まことと彼女のエッチの光景を思い出してしまった。
絡み合っている肌色の身体。
身体の動き。
彼女の喘ぎ声や、まことの荒い息。
思い出すだけで、みのるは圧倒されそうだった。
(わたしもいつか・・・誰かとああいうことするのかな)
みのるは、その『誰か』を想像しながら、胸や秘所を弄り始めた。
いつものように。
普段はボーイッシュで清潔感あふれるみのるでも、オナニーはする。
風呂場で、脚をわずかに開き、わずかに膨らんだ胸をそっと弄っていく様子は、慎ましい感じだった。
「あ・・・あん・・・・」
みのるは、指先がヌルヌルしてきたことを感じ、丁寧に秘所を自分で慰めていく。
(・・・こんなことしてるから・・・カレシ、できないのかな?)
自分で自分を慰めているから、彼氏ができないのかもしれない。
まことに彼女ができて以来、みのるはそんな考えを持ち始めていた。
実際は、まことだって彼女ができるまでオナニー三昧だったのだから、みのるの考えは間違いなのだが。
とにかく、みのるはオナニーに何となく罪悪感を覚えていた。
でも、止められない。
「いや・・・あ・・・あん・・・」
滑らかにすべるようになった指を、クリトリスに擦りつけ、胸にもっと強い刺激を与えていく。
(わたし・・・やらしい・・・ホントはまことの彼女よりずっと、やらしいことしたい・・・)
そんな、とりとめのないことを考えながら、みのるのオナニーは進んでいく。
しばらく経ち、みのるの指はますます激しくなった。
(そろそろ・・・きそう・・・)
みのるの友達には、オナニーでもセックスでも絶頂を感じたことがないという子もいた。だが、みのるはオナニーを覚えて半月ほどで絶頂を感じられるようになった。
それ以来、オナニーは止めようと思っても止められない日課になってしまった。
部屋でするのが一番多いのだが、風呂場や家のトイレ、果ては学校でどうしてもやりたくなって、学校のトイレでしてしまったこともある。
(ひょっとして・・・まことのヤツ、わたしの声、聞いたことがあるのかな??)
みのるはふとそう思った。
だったら?
今日のことは・・・お返しなの?
だから、声を聞かせて、見せつけたの?
そう思ったとき、みのるは激しく興奮した。
(や、いっちゃう・・・)
みのるは我慢できず、
「ひゃあああっ!」
と小さく叫び、膣を震わせた。
その後もしばらくみのるは指を動かしていたが、やがてそれも止まった。
(・・・あーあ。バカみたい・・・)
みのるは、自分の指と股間をシャワーで流しながら、少し虚しい気分になった。
長風呂になってしまったみのるは、慌てて髪を洗い、身体を洗って出てきた。
入れ替わりに、まことが風呂に入る。階段で、まこととすれ違った。
まことは、みのるの顔をじっと見た。
「・・・何よ?」
みのるはまことに文句を言った。
「いや、別に。結構きれいな顔だな、と思ってさ」
「な、何よ急に・・・」
みのるは、兄弟とはいえ異性にそういうことを言われて顔を赤らめた。
「ま、俺と同じ顔だから、当然だな」
「何よそれ・・・」
「ま、みのるもさ、そのうち彼氏できるんじゃないの。お前、結構人気あるんだぜ。知らないだろうけどさ。
だから、そんなにいじけんなよな」
「わたし、べつにいじけてないわよ」
「・・・そうか? まあいいけどさ。んじゃ、オレ風呂入ってくるわ」
そう言って、まことは階下へと降りていった。
(んもう。彼女できたからって、余裕こいちゃって)
そう思ったみのるだったが、さっきのがまことなりの気遣いだということはわかっている。
さっきよりも少し明るい気分で、みのるは自分の部屋へと戻っていった。
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