夏。
強い日差し。
そして延々と続く道。
「暑いわねえ」
そう言って歩いているのは、
今日は白い帽子に半袖のTシャツにハーフパンツという、かなり刺激的な格好だ。
彼女は部屋の中でも似たような格好はしているけど、今日はよそ行きの服装ということで、Tシャツもハーフパンツもお洒落な感じになっている。
というか、二の腕や長い脚を見せびらかして歩くのは反則だ。
神足さん、今日はパッと見て凄く目立つ感じ。いや、いつものことなのかもしれないけど。
・・・神足さん自身は、それほど目立つ格好をしていないはずなのに。
「ほんと、暑いわね」
神足さんは繰り返した。
「うん、暑いね。・・・結構遠いね、プール」
そう。今日僕らはプールに行くことになっていた。
別に海でもよかったのだ。ただ、まだ夏も始まったばかりだしそのうち海には行く機会もあるだろう、それにプールの方が近場だ、ということで、今日はプールに行くことになったのである。
「はやく水の中に入りたいわ。いっそこのまま」
「・・・水着に着替えないといけないんじゃない?」
「そうね。・・・着替えたとき、下に水着を着とくんだった」
街路樹から、セミの鳴く声がする。
暑い夏は、始まったばかりだった。
ようやくプールに着いて、さっさと着替えてくるとばかり、更衣室に引っ込んだ神足さん。
しばらくして、ビキニ姿で出てきた。
白く輝く肌に、黒く滑らかな髪。
髪から覗くむき出しの長い耳に・・・大きい目。
明るいオレンジ色をしたビキニに包まれた、やっぱり大き目の胸。
引き締まったお腹に、縦長の臍。
そして、長くて細い脚。
でも、その大きな目が不機嫌そうにしているのはなぜ?
「ちょっと・・・いいかげん、ジロジロみるのはやめてくれない?」
そんなことを言われても、そんな格好の神足さんを見たら、やっぱり自然な反応として・・・見ちゃうと思うんだけど。
「その、綺麗、だから」
言い訳になっていない言い訳をしてみる。
神足さんは、胸を隠すような仕草をした。
「・・・博也君が、わたしの水着を見るの、初めてじゃないでしょう? なんでそんな恥ずかしい反応なのよ」
そう。
僕が神足さんの水着姿を見るのは、初めてではなかった。
いつ僕が神足さんの水着姿を見たか。
正解は、水泳の授業のとき。
もちろん、ビキニなんかじゃない。
味気ない藍色のスクール水着で、頭には帽子を被った格好だ。
ただし、味気のないスクール水着といっても、水着である以上、身体のラインは全部出てしまう。背が高い彼女の抜群のスタイルは隠しようがない。
これまで制服に覆われていて、僕だけが知っているはずの身体のラインが男子の連中に公開されてしまい・・・なにやら、フクザツではあった。
とはいえ、神足さんの水着姿。
そこはやっぱり、僕も魅力を感じるというか・・・。
水泳の時間中、何度か彼女の方に見とれてしまい、神足さんが恥ずかしがったり怒ったりということもあったが・・・。
明るい昼間から、水に濡れてしなやかに動くスタイルのいい肢体を見る。健康的なような、色めいているような、よくわからない感じの光景だった。
ちなみに、水泳期間中は毎日のように、
「博也君のエッチっ、すけべっ!」
と文句を言われていたことを付け加えておく。
さらに、もうひとつ付け加える。
水泳期間中の神足さんには、ちょっといつもと違うオマケがついていた。
いつもストレートで腰の上まで流している髪を、頭の上にまとめたり結んだりして学校に来ていたのだ。
普段は髪をストレートにしてトリートメントの宣伝みたいな感じにしている神足さんだけど、髪をアップにしたりお団子にしたりするのも・・・いいかもしれない。
髪を上げると、神足さんの白いうなじが見えて、色っぽくなる。
・・・本人は、あくまでストレートが好きらしく、これは水泳で帽子を被らなければならないとき限定のヘアスタイルらしい。
ちょっと残念な気もする。
ただ、僕自身どうやら彼女のヘアスタイルに刷り込みをされてしまったらしい。水泳の時期が終わった頃になって髪をストレートに戻した神足さんに、髪はやっぱりストレートだな、という感想を持ってしまった。
話を夏休みのプールにやってきたところに戻そう。
神足さんは、適当に身体を動かし、準備体操をした。
そして、さすがにストレートの長い髪のままではプールに入れないので、髪を頭の上にまとめていく。
「似合う?」
神足さんが僕に訊いた。
「似合う」
僕がそう答える。
というか・・・さっきのストレートでビキニもよかったけど、やっぱり白いうなじが見えるとドキドキする。
アップの髪も、髪自体が綺麗だから、やっぱりいい感じだ。
彼女は微笑んで、それから、ざぶん、とプールに飛び込んだ。
僕も遅れて、プールに入った。
「冷たくて、気持ちいいわね」
「今日は特に、暑いからね」
プールの底に、光の波紋が揺らめいている。
かすかな、塩素の匂い。
水泳の時間とは全然違う、緩やかで楽しい雰囲気のプールだ。
神足さんとここにきてよかった、と思った。
プールを見渡して思うのは、やっぱりカップルが多いということ。
いかにもカップルしてます、というように手をつないだり腰に手を回したり、というようなのが多い。
そんなことをしていないカップルでも、甘い空気の中で話をしていたりする。
見れば、そういうカップルの大勢がペアリングを嵌めている。
指輪か。僕、そういうのよくわからないけど、やっぱりそろそろ・・・欲しいかな。神足さんはどう思ってるんだろう。
僕がそんなことを思いながら、カップルたちをボンヤリ見ていると。
なにやら、むう、と不機嫌そうな神足さんの視線。
「な、何?」
若干神足さんの気配に押され気味の僕。
「もう・・・すけべなんだから」
そういって、彼女はそっぽを向いた。
「ち、違うってば。スケベなことは考えてない」
僕はカップルたちを見ていたんだけど、神足さんには僕が女の子の水着に見とれていたようにみえたようだ。
神足さんは疑いの眼差しで僕を見る。
「なんか、いろんな女の人の水着見て、嬉しそうな目をしてボンヤリしてたけど?」
「い、いや、そんなことないって。ただその、カップルが多いな〜・・・って」
「そう? ホントかしら」
「信じてってば」
はあ、と神足さんはため息をついた。
「わかったわよ。じゃあ・・・そうね。
・・・ここ、人でいっぱいね。
みんなが見てる前で、一回キスしてくれたら許してあげるわ」
本気なのか、冗談なのか。
少し頬を赤くして、僕の顔から視線を逸らしつつ、神足さんはそう言った。
「い、一回キスって・・・」
思わずちょっと声が大きくなった僕。
そのせいで、少し周りの注目を集めてしまう。
「そ、それって、唇?」
少し声を小さくして、彼女に訊く。
神足さんは頷いた。
「いや、でも、人がいる場所だし」
「たまには、人前でもいいんじゃない? ここ、そういう場所みたいだし」
たしかに、イチャイチャして、腰に手を回したりしてるカップルはいるけど。
なんか、今日の神足さんは積極的だな。
「ホントに・・・するよ? いいの?」
「いいわよ。いつでも」
少し顔を赤くしながら、神足さんは目を閉じた。
ちょっとヤケクソになりながらも、僕は彼女の頭を抱き寄せた。
いつもの習慣で、頭を抱き寄せるときに、長い耳のところにそっと指を這わせる。・・・こうすると、神足さんの耳を愛撫できて、彼女がうっとりするようなキスができるんだよね。
「はうっ」
目を閉じた彼女が小さく喘いだ。周囲の注意を引いたかもしれないけど、今更恥ずかしがってもしょうがない。
喘ぎ声を漏らして開きかけた唇に、自分の唇を押し当てる。
それを軽く吸って、離れた。
一瞬のこととはいえ、敏感な部分を刺激されてしまったらしい神足さんは、少しボンヤリしている。
瞳も潤んでいるし、ちょっとこんな表情他人には見せられない・・・って、ここは衆人環視のプールだっけ。
神足さんは潤んだ目で僕を見つめた。
「・・・これでいい? 神足さん?」
彼女はそれに答える前に、目を閉じて、スッともう一度唇を合わせてきた。
そして、ちゅう、と僕の唇を吸ってくる。
ほとんど反射的に、僕は彼女の耳をなでながら、彼女を抱きしめて唇を吸い返した。
もう一度、唇を離したときの神足さんの顔は、妖艶だった。
そう。エッチのときに見せてくれる、ちょっと蕩けた表情だ・・・。
「・・・ねえ、どこか二人きりになれる場所、行かない?」
神足さんは耳元で囁いてきた。
「でも・・・」
「・・・あなたも、我慢できないんじゃないの?」
僕の股間が硬くなっているのを感じているらしく、彼女はクスクス笑いながら耳元に息を吹きかけてきた。
神足さんが僕を引っ張ってきたのは、広めの女子トイレだった。
トイレといっても明るくて清潔な感じで、ムードを壊すような感じではない。
きっと、みんな僕らと同じようなことをここでやってるんだろうな・・・などと、馬鹿なことを考えてしまった。
「ねえ、もう一回」
神足さんが、キスをねだった。
僕は彼女の耳をなでながら、もう一度キスをする。
今度は、舌を彼女の口の中に差し入れて。
神足さんは、その舌も吸いながら、キスを受け入れていく。
唇を離したとき、二人の間で唾液が糸のように延び、切れた。
「キス、上手になった」
神足さんは嬉しそうに言う。
「でも、博也君もキスだけで興奮しちゃうのよね」
神足さんは僕を便器に座らせ、水着をずらした。
「ちょ、ちょっと」
「いいのいいの。わたしが誘ったんだし、先にしてあげる。
普段は博也君が先にしてくれてるし」
そう言って、神足さんは僕の熱くなった肉棒に手を触れた。
「あったかい。博也君の」
そう言って、神足さんは僕のものを優しく掴み、口の中に咥えていった。
神足さんが口でしてくれるのは、実はこれが二度目だった。
普段は手でしてくれたりもするんだけど、口ではあまりしてくれない。
だけど、神足さんの口は、一度目とは全然違って、それほど急所から外れていない場所を狙って攻めてくる。
「う・・・」
思わず、声が出てしまうほど。
まあ、僕もそれほど強いわけじゃないので、声が漏れてしまうのはしょうがないと思う。
神足さんは、裏スジをペロ、と舐めた。
「どう?」
「な、なんか・・・お風呂のときより、ずっとうまくなってない?」
「そりゃあそうよ。勉強、したもの」
神足さんの手が、陰のうを揉み解し、愛液でぬめった亀頭を優しくなでていく。
「べ、勉強って」
「あなただって、いろいろ勉強してるでしょう?」
「そんなことないって」
神足さんはギュ、と肉棒を握った。
「嘘。わたしには、結構Hな話をしてるのが聴こえてるんだけどな」
・・・そ、そうだった。
「水泳の授業の後、わたしの胸が柔らかいかどうかとか、随分いやらしい話を男子のみんなとしてたみたいじゃない?」
「そ、それは」
「わたしの脚がたまんないとか、そんなヘンタイみたいなこと言ってた男子もいたみたいだし?」
「だから、それは勝手に他の男子が」
「まあね。たしかに、勝手に他の男子が言ってただけだけどね。
博也君が、わたしとのことをなるべく喋らないようにがんばってくれてたのはわかってるわ」
・・・だったら、こんなこと、今言わないでほしい。
「でも、博也君とのエッチは好きよ。・・・最近、すっごく気持ちよくなってきたから。
だから、ね。やっぱり、お礼はしたいじゃない?」
神足さんは、手で上下に肉棒を擦り始めた。
「いろいろ、友達に聞いたり、読んだりしてみたんだけど・・・どう、かな」
「神足さん・・・上手すぎ。なんか、あんまり我慢できないかも」
正直に感想を言うと、神足さんは嬉しそうだった。
「そう? よかった」
そして、その後すぐに、僕は、
「ウアッ、ア」
と呻いて、射精した。
精液は、彼女の顔と胸、手に飛び散った。
「アンッ」
彼女の驚いた声に反応して、また一撃ち、精液が飛び出ていく。
その精液は、神足さんの胸にかかった。
「いっぱい、出たわね」
頬や鼻に精液を受けたまま、彼女は呟く。
「ちょっと、苦いんだけど・・・」
そう言って、彼女は胸に受けた精液や、顔にかかった精液を人差し指ですくい、その指を唇の中に入れた。
そして、ゴクリ、と喉が動く。
そんなことを、5、6度繰り返した。
「あのさ、神足さん」
「何?」
「どうして、飲んでくれるの?」
「そうね。前にも言ったかもしれないけど、あなただってわたしの唾や・・・その、あいえき・・・とか、飲んだりしてるでしょ? それと一緒だと思うわよ」
少し胸や顔、口を水ですすぎ・・・髪にも若干精液がついていたことに慌てた彼女は、僕と協力してそれもがんばってすすぎ落とし(大した量ではなかったので、割と簡単に落ちたと思う)、改めて僕にねだった。
「じゃあ、・・・ね」
微妙な声音でそう言って、軽く僕にキスをした。
そして、持ってきていたポーチから、コンドームを取り出して僕につける。
・・・僕も持ってきていたんだけど、彼女も持っていたとは。
ちょっと意外。ていうか、初めからプールで僕に抱いてもらおうと思ってたのかな?
僕が顔をにやつかせていたのをみて、少し嫌なそうな顔をする彼女。
でも、その顔はまたすぐに微笑に戻り、彼女は便座のタンクに手をついて、お尻を向けた。
「えっと、これは?」
間が悪いとは思ったが、彼女のしていることが本当にわからなかったので、あえて尋ねる。
むうう、と彼女の顔が険しくなる。
「・・・はっきりいわせるつもりなの?」
「あ・・・その、だいたいわかるんだけど」
「じゃあ、それでいいじゃない」
「いや、そうじゃなくて、後ろとか、初めてだから」
「・・・ここで、他にどうしろっていうのよ」
「便座に座るとか」
「こんなに華奢なのに。壊れるわよ、便座が」
呆れたように彼女が言った。
「ねぇ、・・・あの、・・・早く」
言葉こそ少しぶっきらぼうだったが、その声は媚に満ちていた。
神足さんのイメージでそんな声を出されると、すぐにでも彼女を貫きたくなる。
だから、そうした。
オレンジ色の下の水着を下ろし、便座に手をついている彼女の豊かなお尻を掴んで、一気に神足さんを貫く。
すでに僕を何度も受け入れた彼女。でも、今日の彼女は、先に僕を愛撫してしまっていたせいなのか、それとも初めて家の外でセックスをしているからなのか、いつもより熱く、そしてトロトロと潤っていた。
挿入と同時に、愛液の雫が床に落ちる。
あるいは、これほど潤っているのは、初めて経験するこのケモノじみた体位のせいかもしれない。
「あはっ、あああっ、あああーん」
挿入したとき、白い背中を反らせ、彼女は声を上げた。
「なんか・・・いつもと違う?」
「うん、違う場所が当たってる・・・それに、博也君も、いつもより・・・?」
「そうかもね、一度出したばかりなんだけど」
僕がゆっくりと、肉棒を動かす。ネットリとした彼女の中が、それにあわせて蠢いてくる。
「・・・ひやっ、・・・あ、うあっ」
いつもと違い、貫いて動き出した直後から、彼女は動きに応じて声を漏らす。
「いつもより、感じるの?」
「え、・・・ええ・・・そうみたい」
彼女はこちらに顔をみせた。頬が紅潮し、目が潤んでいる。
僕はその赤い唇に、キスをした。
同時に、水着の上から乳房を揉む。
・・・この胸は、噂どおり柔らかいんだよね。でも、誰にも教える気はない。
胸からの刺激で、神足さんが身をよじった。
「ねえ。胸、もっとして・・・」
水着を外し、直接乳房をいじると、彼女はハアア、と甘い吐息を漏らす。
尖った乳首を柔らかく捻ると、アウッと声が漏れた。
神足さんが、僕の方を見て、呟く。
「わたし・・・どうかしちゃってる。今日、ヘンなの」
「ああんっ、そう・・・いつもより、イイ・・・の」
僕は笑った。
「そういう神足さんも、いいな」
彼女はムッとした顔になった。
「・・・ヘンタイ。えっち」
僕は言い返す。
「神足さんがそれを言う?」
僕が腰を動かすと、彼女は嬌声を上げる。
「あああああ、あはっ、ああっ、アッ、あっ、ああ!」
「ほら・・・エッチなのは、神足さんもだって」
「イヤ、そんな風に言わないで」
そういう風に言いながら、彼女の腰は、僕の腰に合わせて一緒に動いているのだ。
僕が動きを止めても、彼女は腰をゆすっている。
「神足さんだって、腰、振ってるよ」
「・・・だってえ」
甘えたような声を上げる神足さん。
「わたし、今日博也君みたときから、なんか・・・その、・・・したくなっちゃったんだもん。なんでか、わからないけど、でもぉ」
「そういうの、なんか可愛いよ、神足さん」
「馬鹿にしない?」
「しない。僕だって、一緒、だから」
「え?」
「僕も、今日神足さんのTシャツとハーフパンツみたときから、・・・こうしたかった」
「そ、そうなんだ・・・」
僕らは、お互いにつながったまま、エッチな気分になったことを告白しあった。
でも、・・・こんな恥ずかしいことを言い合っているのに、嬉しいのはなぜだろう?
「もっと、・・・ねえ、博也君」
僕は彼女に応えて、腰を動かしていく。
ピシャピシャピシャ、と肉が当たる音がする。
その中で、神足さんから滲み出た愛液が、淫らな水音を立てていく。
彼女の中が締まる。僕のものも、彼女の襞がめくれそうなほど激しく動いた。
神足さんの声が鋭くなって、響き始める。
「ハァァッ、ア、ア、ア、アアッ、ア、ア、アッアッ」
「声が大きいって、神足さん」
「だってえ、こえ、でちゃう・・・」
僕の方も、周りを気にしていられないほど気持ちよくなっていた。
ときどき、壁や何かに身体をぶつけて大きな音を立てている。
トイレの外からも、何をしているのか丸わかりだろう。
「ねえ・・・」
神足さんが、こちらを向く。
「何?」
「ぎゅってして、ギュって」
「いいよ」
ぼくは、彼女の身体を背中から抱きしめた。
そのまま、何度も何度も肉棒を彼女の秘所に突き刺す。
開き続けている彼女の口から、よだれが一筋、床に落ちた。
彼女の秘所の方も、太ももから幾筋もの愛液を垂らし、床に流している。
卑猥な格好だけど・・・だけど、神足さんが僕を求めてくれている証なんだ。
桃色になった彼女の身体は、熱くなっていた。
僕自身も、荒い息を彼女の耳に振りかけている。
その息に反応したのだろうか。
彼女は突然、
「あ・・・ゴ、ごめんなさい、もう・・・もう・・・」
と狂わしい反応をした。
「もう、行きそう?」
「え、ええ・・・あなたは?」
「僕もだ。我慢できそうにないかも・・・」
「よかった、一緒に・・・ね?」
そう笑った彼女が、ぎゅうう、と僕を締めていく。
「あ・・・・あ、あ」
僕の方が、呻いた。
「きちゃう・・・きちゃう・・・」
腰をゆすりながら、神足さんはギュッと僕の手を握った。
「あァあっ」「アアアアアアアアハっ」
僕と神足さんが同時にそう叫ぶ。
彼女は背中の筋肉を突っ張らせ、膣の中を強く締め付けた。僕の手を、痕が残るほどきつく握り締める。
僕も彼女を強く抱きしめながら、脚を震わせ、コンドーム越しに彼女の中で射精した。
力を失った彼女は便器の上に崩れ、僕も一緒に崩れる。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
お互いの身体の重みを感じながら、しばらく僕らは折り重なっていた。
身の回りを整え、トイレから出てきたとき、別のカップルが赤い顔をして僕らを見ていた。僕らより、少し年上のカップルだ。
男性の方も女性の方も真っ赤な顔だった。
女性が神足さんのほうをチラリと見ると、神足さんは僕の後ろにコソコソと隠れてしまった。
その後、そのカップルはトイレに一緒に入っていった。
「ねえ・・・あれって」
「・・・たぶん、僕らと同じだと思うよ」
「だったら、あんな目で見なくてもいいと思う」
「ちょっと、僕ら、弾けすぎちゃってたからね」
そう言うと、神足さんはまた恥ずかしそうにした。
「アイスでも食べる?」
「え? ええ」
「じゃあ、行こうか」
僕は彼女の手を握り、屋台の方に向かった。
ごく自然に手を握り、彼女は僕についてきてくれる。
今日の彼女は、どこか違う。
でも、神足さんって、やっぱり・・・いいな。
温泉旅行 - 耳10はこちら。
感想・誤字等はこちらまで。
| <BACK | 官能小説 佳情 | NEXT> |