迫りくる秘密


萌雀掲載作品。

(注:本編のような、そうでないような。若干お父さんの性格が違う気もします。

ちなみに、神足こうたりさんの設定は本編準拠。)



それは、神足家に招かれたときのこと。


「あのね、お兄ちゃん?」

とつぶらな瞳を輝かせているのは末っ子の優子ちゃん。

「お、お兄ちゃん? 僕のこと?」

「だって、文子おねえちゃんの彼氏なんだから、お兄ちゃんでしょ?」

「あ、そうか、あはは」

・・・神足さんのお父さんに聞かれてなければいいが。

「お姉ちゃんのこと、どのくらい知ってる?」

「え、どのくらいって・・・」

「たとえば、誕生日は?」

「3月3日、耳の日」

「じゃあ身長は?」

「んーと、・・・168センチくらいだったかな」

一度聞いたことがあったような。

「じゃあ、体重」

「それはちょっと、文子さんのプライバシーに・・・う、そんな目で見ないでよ」

「だって、おねえちゃん綺麗だから、さんこーにしようっておもって」

「そう言われてもなあ・・・んーと、たしか、53キロ前後を行ったり来たりしてるはず。いつもお風呂の体重計に乗ってるのをみてるから」

「なんでおねえちゃんが体重計に乗るのを、お兄ちゃんが見てるの?」

「それは・・・う、コホコホ」

そりゃあ、一緒にお風呂に入ることがあるからです。とはいえず。

「お兄ちゃん、風邪?」

「あ、いや、あはは」

「?? 変なの。えーと、次の質問。

おねえちゃんの、『すりーさいず』と『ばすとのかっぷ』? は?」

「な、なんでそんな質問・・・だから、プライバシーってもんが」

「いいからいいから。ん・・・と、『彼氏だったら知ってるはず』でしょ? お兄ちゃん、彼氏だよね?」

「んー、そういうもんかなあ、ちょっと違うような」

「知らないの? ていうか知ってて答えてくれないの? 意地悪なんだあ、お兄ちゃん、文子おねえちゃんカワイソー」

「い、いや、知らないわけじゃないけど・・・」

なぜ知っているのかって? 服を買いに行くのに付き合わされたときに、本人に聞いたら恥ずかしがりながらも教えてくれたのだ。

「じゃあ、答えられるよね?」

「・・・それとこれとは」

「何よお、やっぱり意地悪なんだあ」

「い、言うよ、言うから・・・そんな顔しないでってば。えーと・・・たしか、上から88、63、89のDカップだった、かな」

「それって、『すたいるばつぐん』の?」

「・・・スタイル抜群だと思うよ、うん」

僕の頭の中で、ハダカの文子さんがベッドに横たわっております。うう。

「ふーん、『ばつぐん』なんだあ」



そこまできて、優子ちゃんは後ろを振り向いた。

「・・・だって、お父さん。ちゃんと聞いてた?」

「ああ・・・聞いてたよ」

そこにいたのは・・・、

「ゲ、お義父さん」

「君にお義父さんと言われる筋合いはないがね。いかにも、文子の父だ。

ずいぶん君は娘の身体に詳しいようだね?」

「ええ、いや・・・別に」

「いろいろ訊きたいことがあるんだが。んん?」

「イエベツニ、ハイ」

「優子。今からお父さんはこの男と話があるからアッチに行ってなさい」

「はーい」

「あ、ああ・・・優子ちゃん」

「何が『優子ちゃん』だっ、末の娘まで手懐けようったってそうはいかないぞ」

「ア、そういうわけでは」

「何が『そういうわけでは』だっ」


僕は理不尽にも、神足さんのお父さんに長い説教を受けてしまった。

・・・優子ちゃんは、お父さんに言われて誕生日・身長・体重・スリーサイズなどを具体的に訊いてこいと言われただけらしい。トホホ。

2007/8/29 佳情。(萌雀で初出) 2007/9/22 掲載
2007/9/30 指摘を受け、「彼氏だったらもんかなあ」>「そういうもんかなあ」
2008/1/27 最初の「神足さん」>「神足こうたりさん」、水平線を挿入。

感想・誤字等はこちらまで。


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